| 宮間 尚's profileそしてあの場所へBlogLists | Help |
|
September 08 6. 愛児 (まなしご)「誰だ…?私を王と呼ぶものは…?」
『…今、母の胎内にいる。あなたに助けられた私…」 「まさか、ホテルの……?」 それは、あのホテルの瓦礫の中から助けだした胎児の声だった。胎児の声が俺の心に流れ込んでくる……。 『アース一族の若き王…。私は、今度こそ生きたい』 「今度、こそ?」 『私は以前、貴方に会っている。もうずっと昔、あの時も私は胎児だった。お忘れか、あの時の私の母の名は、メイアと言った』 「…メイアの子だったと、言うのか?あの時、メイアと共に死んでいった胎児だったと」 『あの時、私は死を覚悟した。私はあの時、予知能力を授かっていた。そして、自分の死を知った。どうあがいても私は死ぬのだと諦め、覚悟した。母、メイアは生きることを望んでいたのに。だが、今は違う。貴方に助けられ、私は今度こそ生きたいと心から願っている、どうか、今度こそ……』 「分かってる。私はそのために、今日まで生きてきた。命ある者達を、地球を救うために!」 身体に残っている力を振り絞り立上がり、両手を頭上にかざした。 「命が削られたって構わない!皆を助けられるなら!」 瞬間、身体が金色に包まれた。身体の底からわき出てくる力。自分でも、まだこんなにも力が残っていたのかと思ってしまうほどの強力な力。 これは民達の、想い…? ガイアの中で生きていた、民達の想い。許してくれるのか、民達は。人間達を助けても、いいというのか。 微かに、民達の声が聞こえた気がした。 『貴方様の思うように…』 と…。 目を伏せ、民達に感謝した。そして顔を上げ、民達の力を放った。 「ハァァッ!」 身体から放たれた無数の光は、地球の内部から地上に向かって四方に飛び散った。 そしてその光は、火災が起きているところでは、炎で起こった風を沈ませ、雨を降らせた。家屋が崩れ、生き埋めになった者達は崩れ落ちた家屋が宙に浮き、救助隊によって救われた。津波にさらわれた者達も、光の球が身体を包み、陸へと運んでくれた。 誰もが何が起きたのか分からなかった。 薫を始め、孤児院の者達を除いて。 クラリッと眩暈がした。激痛が身体中を襲った。それらに何とか絶え、両手を前に出し手を合わせた。 「我が…我が、愛しいアース一族よ、…この手に、愛を」 すると、合わせた掌から光の筋が幾つも現れ、その光は膨れ上がり、手を離すと掌の少し上で宙に浮き、さらにゆっくりと膨れ上がった。 その光は今目の前にある地球の瞳より少し大きめくらいまで膨れ上がった。右手でその光を支えるようにし、左手の人差し指を額に置いた。 地球をチラリと見ると尚も振動が止まらずにいた。 ……蒼さがまだ足りない。このままでは地球は爆発しかねない。まだ、力は残っている。地球を救うだけの力は、まだ残っている!この命をこの世にとどまらせてている、薫や院長先生、そして民達の愛を、この身体に残っている全ての力を愛に変えれば、地球を救えるはず。何としてでも、地球を守ってみせる。私の命と引き替えにしてでも救わなければ…! 目を伏せ呟いた。 「私の命をもって地球に愛を…!」 人差し指が光りに触れると、光りの球はゆっくりと進み、地球に触れた途端、光りが広がり地球と岩肌をも光りが包み込んだ。 TrackbacksThe trackback URL for this entry is: http://nekobakano-mo-so.spaces.live.com/blog/cns!6C87111BA2133EFF!283.trak Weblogs that reference this entry
|
|
|